柳生八剣伝 - Cthulhu Scenario Storage|クトゥルフシナリオストレージ

柳生八剣伝

【このシナリオについて】

シナリオ傾向:シティ、現代
推奨人数:3人~
戦闘:有り
推定プレイ時間:2~3時間
難易度:難しい
システム:クトゥルフ神話TRPG
注意事項:シナリオの95%が戦闘で構成されている。引退させたい探索者が高い日本刀技能を持っている人向けのシナリオとして作成。

【あらすじ】

柳生新陰流の分流である探索者のもとに、柳生家当主で探索者にも剣術を指導していた柳生宗影が現れる。彼は全身に傷を負っており、探索者に柳生八剣の1つである妖刀「鎌鼬」を託し、全ての妖刀を集め、誰の手にもわたらないようにしてくれと頼む。
全ての妖刀を集めるべく襲い掛かる柳生八剣の所持者達、果たして探索者達は無事妖刀を集め封印するこができるのか?

【資料】

登場流派
名、当主、妖刀
柳生新陰流 柳生 宗影 「緑花」
-柳生心眼流 柳生 重吾 「村正」
-小栗流 小栗 武信 「断空」
-有地新影流 有地 秋水 「村雨」
-当流神影流 岡本 昭仁 「雪舟」
-鏡新明智流 桃井 健蔵 「直猶」
※二刀で一刀とする 「鏡心」
-天心流  時沢 弥子 「麗刃」
-荘田心流 荘田 高徳 「打刀」

当主
面倒なので全て同じステータスとする。
STR14 CON11 POW8 DEX11 SIZ12 INT11 EDU16 HP12
武器
日本刀 80% 1D10+DB
妖刀と当主
※妖刀は破壊されない。妖刀の能力を使うたび、1D6の正気度喪失。この減少では発狂しない。
※妖刀同士の対戦で効果が矛盾する場合、日本刀技能が高いほうの効果を優先する。
※妖刀を持つものは、妖刀の囁きにより自然と日本刀の扱い方が分かる。〈日本刀〉技能が50まで上がる。
※妖刀を持つ者の肉体は通常ではありえない速度で回復する。一晩寝ると耐久力が全て回復する。

妖刀「鎌鼬」
空気の刃を飛ばすことができる。空気の刃は視認できず、〈回避〉、〈受け流し〉
が不可能。刀身で相手を切る場合、空気の刃を合わせるのであれば
日本刀の1D10+DBダメージに加え、更に1D10ダメージ。

柳生 宗影
柳生新陰流の当主で黒幕。70歳ほどの老人だが、鍛えておりまだまだ健在。
妖刀「緑花」
持つものに無限の生命力を与える。1Rごとに耐久力が全て回復する。ショックロールが自動成功する。

柳生 重吾
柳生心眼流の当主。分派当主の中で最も実力があると言われる。50歳程の男性。
引き締まった体格、厳つい顔。
妖刀「村正」
血を操る力を持つ。持ち主の血から、2本の刃を形成する。本来の刀身と合わせ
1人の対象に3回攻撃が可能。但し、血の刃のダメージは1D6。

小栗 武信
小栗流の当主。40台で血気盛んな感じ。
妖刀「断空」
空間を歪め、自身の視界内であればどこにでも斬撃を出現させることができる。
〈目星〉や〈聞き耳〉に成功すれば、〈回避〉や〈受け流し〉を行うことができる。
この妖刀でHPが0になったものは、そのままどこかに飲まれてゆく。

有地 秋水
有地新陰流の当主。40歳ほどのイケメン。
妖刀「村雨」
抜けば辺りに霜が降り、その刃からは水が飛ぶ。相手の剣の扱いを鈍らせる。
相手の〈日本刀〉が半減。また、水の刃は受け流せない。

岡本 昭仁
当流新陰流の当主。80歳程の老人。体は線が細く、刀を振るえるとは思えないほど。
しかし、彼の技量は柳生一派の中で随一とされる。
妖刀「雪舟」
空気中の水分を凍らせ、刀身から雪の様な白い刃を伸ばす。刃は使用者の思うまま
に長さを変え、相手を惑わせる。相手の〈回避〉や〈受け流し〉を半減。

桃井 健蔵
鏡新明智流の当主。20代の男性で、二刀流。鏡新明智流を侮辱していると蔑まれることもある。
妖刀「直猶」
脇差である鏡心とセットの妖刀。鏡心と共に持つことで、鏡心の読んだ相手の動きに合わせ、即座に対応した動きをとることができる。
妖刀「鏡心」
脇差。この刀を持つことで、相手の動きをすべて読むことができる。
直猶と鏡心を併せ持った場合、相手は〈回避〉〈受け流し〉が不可能であり、所有者の〈回避〉〈受け流しは〉ファンブル以外成功する。但し、この刀のダメージにはDBが乗らない。
SAN値減少は攻撃時のみ起こる。

時沢 弥子
天心流の当主で、20代の美しい女性。女だが、技量はかなりのもの。
妖刀「麗刃」
赤い刀身が特徴的な非常に美しい刀。その刀身は莫大な熱量を誇っており、対峙する
相手のHPを1Rごとに1D3奪う。また、攻撃を命中させた場合、相手は〈CON*5〉のロール。失敗すると、炎上ダメージとして1D10ダメージを与える。炎を自在に操ることができ、〈炎を飛ばす〉50%攻撃を行うことが可能。対象は敵全体で、ダメージは1D10。
どちらの攻撃も、受けると小さな炎上状態になる。1ターンに1D6ダメージ、〈幸運〉か〈応急手当〉で鎮火。

荘田 高徳
荘田心流の当主。30代の男性で、筋骨隆々の大男。彼の剣は剛剣として知られる。
妖刀「打刀」
武骨な刀。持ち主は剛力を得る。この刀の攻撃はその重さから〈受け流し〉が半減。
また、ダメージは1D10+db*2。この刀のみ、SAN値の減少を1D3とする。

【導入】

PC1は〈日本刀〉を持っている必要がある。その他の探索者は特に指定は無い。ほぼ戦闘しかないシナリオだと伝える。
柳生新陰流の流れをくむ剣術を修めるPC1は、その日の夜、道場で鍛練をしていた。そこへ、柳生新陰流の当主、柳生宗影が現れる。彼は全身に傷を負っており、何かに追われているようだ。PC1の門下生と言う設定の場合、ここにほかの探索者達がいてもよい。
彼はPC1に柳生八剣のこと、それぞれの分派が柳生八剣を巡り争っていること、柳生八剣をすべて集め、封印することでその争いを止めてほしいことを話す。長いので、PC1に口を挟ませつつ話す。
「柳生八剣の話は知っているな?我々柳生流に伝わる8本の妖刀のことだ。お前は受け継がなかったが、他の分派7派の当主にはそれぞれ一振りずつ渡していた。私や過去の当主たちは彼らなら妖刀に支配されないと思っていた。しかし、それは甘かった。奴らは妖刀の力に飲まれ、他の妖刀を求めるようになった。そして今日、ついに私の屋敷へと踏み込んできた。PC1、お前はただ一人、分派の中で妖刀を受け取らなかった者だ。そんなお前に頼むのは非常に申し訳ないが、もはやお前しかいない。いいか、妖刀を持つ者たちは惹かれあう。これは、お前に渡すはずだった「鎌鼬」だ。頼む。ほかの妖刀を集め、封印してくれ。全ての妖刀を集めれば、自然と封印の方法が分かる。今すぐにも、私を追って小栗流の当主、小栗武信がやってくるだろう。奴の剣「断空」には気をつけろ。奴は……」ここまで話したところで、突如、柳生宗影の体に亀裂が走る。彼の体は捻じれ、どこかに吸い込まれていくように消える。
妖刀の効果を見てSANチェック
1/1D4。妖刀の効果を見るたびにSANチェックを行う。合計4減少した時点でSANチェックは終了。
ふと見ると、道場の入口に一人の男が立っている。彼は小栗流当主、小栗武信と名乗り、PC1へ襲い掛かる。勝利した場合は妖刀「断空」が手に入る。彼の死体はどこかに吸い込まれるようにして消える。今後、断空で死体に触れると証拠隠滅ができる。この際、SAN値減少は必要ない。負けたときは夢だったことにしてもっかいやってもいいかも。

【他の妖刀の所在】

偶然にもPC1が住む県に各流派の道場がある。ネットや町の目撃情報などで当主らもその道場に集まっていることが分かる。
図書館やインターネットで調べれば、他の当主たちの簡単な情報を得ることができるだろう。資料参照。
そのまま残り六流派の道場へ向かえば、当主たちが待ち構えており、適当な会話の後、戦闘に突入する。
道場を三つ潰した時点(妖刀を5本獲得した時点)で、危険を感じたほかの当主たちは一時停戦し身の守りを固める。
次に他の道場へ向かった場合、残り3人の当主が待ち構えている。〈目星〉や〈日本刀〉に成功すれば中に3人がいることが分かるだろう。
探索者達と一対一の戦いになるように話を進めてくるが、探索者達が他の形式を望めばそれに従う。「PC1、お前の不幸は強すぎたことだ。○○、○○……(死んだ当主の名前)全てお前に殺された。その強さが我々を団結させたのだ。いくらお前が強くとも、我ら3人にはかなうまい。PC1、死んでもらうぞ!」
この道場はとても広いので、戦う場所には困らなさそうだ。
戦闘終了後、〈聞き耳〉。成功すれば、道場の周りで無数の足音がすることに気が付く。
なお、妖刀8振りを集めても封印の方法は思い浮かばない。

【柳生宗影との決戦】

道場に、柳生宗影が100人の供を連れ現れる。柳生宗影は、その場に立つPC1を見て驚いた顔をするが、続いて話し始める。
「死んだと思ったか?残念だったなあ、トリックだよ」
「PC1よ、柳生八剣を集めるためにはどうすればよいか知っておるか?」
「お前に集めろと言えばいい。よくやってくれた。だが、妖刀が我が柳生本流に伝わっていないとは思わないだろう?」
「これが柳生八剣を纏める一振り、最強の妖刀「緑花」だ。さあ、お前が死ねば全ての妖刀は私の物になる」
「一対一の勝負と行こうか、PC1!お前が師に手をかけられる人間だとは思わないがな!」
柳生宗影との戦闘。供は手を出さない。ほかの探索者が手を出そうとする場合、邪魔をしてくる。

【最終決戦】

柳生宗影が死ぬと、妖刀を狙い供の人間100人が襲い掛かる。
PC1は1D100ロールの出目の数だけ相手を殺せたこととする。また、妖刀の力を解放すれば一本ごとに+1D10。
妖刀の力の解放は、他の探索者が行ってもよい。
出目が100を超えなかった場合、生き残りはPC1へ襲い掛かる。SAN値が残っている限り、探索者達は妖刀の力を発動し、1D10ロールを行う。出目の数だけ敵が死ぬ。
撃退に失敗した場合、PC1が派手に散る描写をいれつつ敵を逃走させる。たぶんPC1は立ったまま死んだりする。

【エンド】

妖刀は、9本を円状に配置し、呪文を唱えることでその場に固定、封印できることが分かる。封印を解くためには封印した者以上の日本刀技能を持つ者が、〈日本刀〉-90ロールに成功する必要がある。
妖刀が封印されれば妖刀に吸われたSAN値が帰ってくる。1D100を振り、シナリオ開始時のSAN値を上限として回復。
シナリオクリア報酬として、1D6の正気度回復。
妖刀を封印した者は、封印した妖刀からあまり離れることができなくてもいいし、できてもいい。